2015/01/02

言葉。

狭い考え方であるかもしれないが、文学、芸術には生への希望を語るものではないかという気がするのである。

いや、文学や芸術に限ったことではない。人間のあらゆる営み、生きるということ、生活それ自体が、現実のカオスに身を投じながら、そこに自ら主体的な軌跡を切り開いていく価値創造のかていなのではあるまいか。

確かに、現実の人生は、混沌としてみえる。
しかし、それをそのまま直接に投射することだけが、文学、芸術の目的ではないだろうと思う。僕たちが読んで、聞いて、見て、作品というのは、どんな絶望的な内容を扱っていても、また、どれほど人生の虚妄や無意味さについて告発していても、その底流からは、生きる意味を求め、発見しようとする希望が切実に鳴り響いているものである。

すべてを失ったとしても、希望さえ残れば、そこから一切が再び始まる。

『希望』は常に出発であり、永遠の始まりである。

常に今ここから。


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